イワナが教えてくれること

A TROUT in the MILK ミルクの中のイワナ

クレジット

2024年 4月 5日 (金)
アップリンク吉祥寺ほか
全国順次ロードショー

上映劇場はこちら

NEWS新着情報

PUBLICITY

  • ミルクの中のイワナFILM BOOK
  • SOUTH2WEST8COLLABARATION
  • atroutinthemilk originalMotionPictureSoundTrack
  • TSURIVISION

TRAILER予告編

STORYあらすじ

地球上で最も多様な脊椎動物・イワナ

源流域で暮らす生態はいまだ謎が多く、神秘の魚といわれるイワナ。その生態系がいま危機に直面している。SDGsや生物多様性が声高に叫ばれる昨今、「種を守る」とはどういうことか、地域社会と環境をいかに保全するべきか、わたしたちはいま改めて考え直すときに来ている。研究者や漁業関係者、釣り人など立場を異にする人々の証言から浮き彫りになるのは、イワナを通して見えてくる未来の地球の姿である。深山幽谷の美しい映像と音楽に癒されながら、人間と自然の普遍的テーマが胸をうつ、全人類必見のサイエンスドキュメンタリー。

深山幽谷に息づく神秘の魚イワナをめぐる環境から問う自然と人間の新たな関係とは-

AWARDS受賞歴・正式出品

CAST出演者

DIRECTORディレクター

坂本麻人

監督・脚本・編集

坂本 麻人

大阪生まれ。東京在住。ドキュメンタリー映像作家。2023年公開のドキュメンタリー映画『ミルクの中のイワナ』の監督・プロデューサーとして活動。過去には、岩手県・遠野市を舞台に死生観をテーマにした映像作品『DIALOGUE WITH ANIMA』を監督し、またカルチュラル・スタディーズツアー「遠野巡灯篭木(トオノメグリトロゲ)」の総合演出、プロデューサーとして活動。アーティスト長谷川 愛の映像作品『Shared Baby』(森美術館「未来と芸術」展 出品)や市原えつこ『未来 SUSHI 研究者は語る』(森美術館「六本木クロッシング2022」展 出品)などの監督・監修を担当。

MUSIC劇伴

a-trout-in-the-milk-albumjaket

FILM BOOKパンフレット

filmbook

『ミルクの中のイワナ』film book

人は、何を道しるべに自然と関わり続けていけるのか。 かつては幻とさえ言われた「イワナ」が人新生の時代に示すのは、絡まり合った私たちの姿と自然の新たな関係だった── 本書は、映画『ミルクの中のイワナ』から新たなインタビューを再収録し、作品世界とテーマをひもとき深く考察するために編んだオールカラー公式フィルムブック。編集長には、川時間に浸かる雑誌『RIVER-WALK』の発行人である若林 輝と、旅雑誌の編集者である奥田祐也を副編集長に迎え、映画『ミルクの中のイワナ』にも出演し監修を務めた中村智幸や、イワナ研究の第一人者である東京大学 大気海洋研究所 森田健太郎 教授など、新たにインタビューを再収録し、魚との関わり方を深く再考するための公式フィルムブックがオールフルカラーで発売。アートディレクターには、数多くの展覧会や書籍のデザイン、雑誌『アイデア』での編集執筆など、編集とデザインに精通するグラフィックデザイナー 飯田将平が担当。

参考上代 ¥1,650 (税込)

COMMENTコメント

魚のイワナだけに限らず、イワナに関心を持つ人たちの発言を含めた、社会的な視野を含む良質のドキュメンタリーである。画面が淡々と流れていくのに、思わず引き込まれて、最後まで見てしまった。現代のわが国では、淡水産の生物は危機的な状況にある。とくにそうした危機意識のない人たちにも、ぜひ見ていただきたいと感じる。
養老孟司
(東京大学名誉教授)
ヤマトイワナが暮らす源流域。調査前になると、いつも不安にさいなまれる。魚たちは無事に暮らしているだろうか。モニタリング調査という名の保全活動を続けて20年になる。この間、乱獲、養殖魚の放流、河畔林の伐採、ゴミの放置など、予期せぬ出来事に翻弄されながらも、魚たちのためにできる限りのことはしてきた。生き物や彼らが暮らす環境を守り後世に伝えていく、と言えば聞こえはいいが、実際にやっていることは、負の影響を取り除くための作業にすぎないし、心が傷つけられることも多い。それだけに、この映画を見終わった後、心が救われた気がした。本作は生き物の保全活動に携わるすべての人に贈る賛歌である。
坪井潤一
(国研) 水産技術研究所 主任研究員)
清水流れる岩の隙間から何百年もこちらを見ている獣がいる。試されているのはいつだって我々なんだ。
平野太呂
(写真家)
川は流れる。その流れは土や石を海へと運ぶ。運ばれた水にはたくさんの山の微生物も含まれている。海は太陽の熱を借りて水蒸気をつくり、雲をつくりだす。雲は雨を降らせ、その雨が山へと染み込んでいく。土や石は雨を濾過する。そしてふたたび川となって流れていく。 川も海も流れ続け、動き続けている。イワナもまたその両地を巡り、泳ぎ続ける。 イワナを釣り、食べ、自らの血肉とすることは、川や海、土や石をも体内に取り込むことだ。 風土を喰らい、風土として生きる。この映画は、そのように生きていくための作法に関するいくつかの手がかりを、愛しながら食らうという矛盾とともに生きるための術を、私たちに教えてくれる。
大小島真木
(アーティスト)
人の「営み」は、生き物のかたちに決定的に影響を与えてしまう。私たちが普段食べているものを見ればすぐにわかる。渓流で釣りをしなければ、ほとんど出会うことのないイワナでも同じだった。その事実から目を逸らさずに、動きながら考えている人たちがいて、この映画は彼らの「営み」を映している。イワナと人。それらを取り巻くもの。どうしてこうなってしまったのか?こんがらがった疑問を整理することから始まる、今。この映画は、転換点になろうとする熱い意志を伝播する「営み」だった。
村岡俊也
(ノンフィクションライター)
わたしは、釣りに係わる事業を生業としていることから、釣り人と接する機会が数多くあります。釣りは、魚という生命体と一本の糸でつながり対話をします。それをリアルなフィールドで毎年シーズンを通して行います。それゆえ、釣り人は、フィールドの僅かな変化に対して、最初に感じとることができる存在でもあるのですね。本作はイワナにフォーカスした作品ですが、そんな釣り人の目線からアプローチしています。イワナを通じて、環境が抱える課題だけでなく、社会全体の在り方にも気づきを与えてくれます。また、映像から伝わるイワナの美しさに引き込まれる方も多いことでしょう。すでに海外でも数多くの受賞をしていますが、全世界に影響を与えるパワーのある作品といえます。

酒井誠一(株式会社ティムコ 代表取締役社長)
日本列島各地の山と海をつなぎ、毛細血管のように分岐して流れる無数の川。そこには古来より、イワナという神秘の魚が生息してきた。この映画は、人びとの身体を列島の風土とつなぐ、このイワナという種に捧げられている。イワナはその多様な条件に適応しながら、驚異的な生命の多様性をあらわにしつつ、各地の人びとの生活を支えてきた。この映画はその多様性が損なわれつつある現代にあって、複数種の生命にとって真に重要なものとは何かという問題を、見事に映し出している。坂本監督は、科学者・釣り人・漁協関係者という三者のイワナにまつわる実践を撮影することによって、日本列島を舞台とするマルチ・スピーシーズ映像民族誌の傑作を生み出した。各地の風土や異種の時間と絡まり合う「複数種」の現実が、ここには透徹して描き出されている。
石倉敏明
(人類学者/秋田公立美術大学准教授)
イワナという生物の不思議さから立ち上がる生態系の魅力が、ひとりひとりのインタビュイーの熱とともに伝わってくる。現代日本における河川環境保全という一筋縄で解決できない「厄介な問題」を巡る、かれら当事者たちそれぞれの向き合い方が紐解かれることによって、「誰も悪者にしない」という坂本麻人監督の複雑さを抱きしめる哲学が体に浸透してくる。そして、作中の森田健太郎先生の「イワナの生き様を守りたい」という言葉は、わたしたち人間の生き様もまた、イワナや川や山との関わり方に懸かっているのだという事実を指し示している。『ミルクの中のイワナ』は、自然と人間の世界を二項対立で切り分けず、一つの絡まり合いとして捉えるための認識を醸成するだろう。
ドミニク・チェン
(Ferment Media Research)
食らうものと食らわれるもの、その関係性は一見すると非対称なものに見える。たとえば、食らうものとはつねに強者であり、食らわれるものとはつねに弱者である、という風に。しかし、何かを食らうことは、同時にその何かに巣食われることでもある。実際に私が食べたものは私の肉体の一部になる。これは私の肉体が食べたものによって部分的に占領されているということに他ならない。この視点に立ったとき、食らうものと食らわれるものとの非対称な関係はたちまち、ある種の共食い関係として描き直されることになる。本作が焦点を当てているのは人間とイワナ、釣るものと釣られるものとの関係だ。本作には多くイワナに取り憑かれたものたちが登場するが、彼らツリキチたちのまなざしを経由することで、その関係の非対称性についてもまた、イワナを釣るものはそのイワナによって操られるものである、という風に描き直すことができるかもしれない。操るの語源は綾(糸)を吊(釣)ること、つまり糸釣りにあると言われる。河を回遊するイワナと、その鱗が水面に伸ばす虹色の光の糸に釣られてイワナを釣りつづける人間たちが織りなす、奇怪な綾。その共釣り関係において、行為の主客は必ずしも明確ではない。釣りという営みが一方的な簒奪行為ではなく、それ自体が生態系に深く埋め込まれた営みであるということは、本作において紹介されているイワナとカマドウマとハリガネムシの分かち難い共生―寄生関係からも窺い知れる通りだ。やがてその奇怪な綾は、幾重にも絡まりあい、複雑にもつれながら、山河全体へと波及していくことだろう。本作はイワナを起点にその巨大なる華厳を心地よく描き出した快作だ。
辻陽介
(編集者/アーティスト)
“Daisuke Tanabe and Yosi Horikawa have made a beautiful score to what looks like an impressive film. I can’t wait to see the visuals merge with this gorgeous music.”
Sam Valenti IV
(The founder of Ghostly International)
イワナの卵
A TROUT in the MILK ミルクの中のイワナ

監督・脚本・編集 : 坂本麻人
プロデューサー : 坂本麻人 , 武田俊 
共同プロデューサー : 塚田有那
監修:中村智幸

音楽:『A TROUT IN THE MILK』
DAISUKE TANABE &
YOSI HORIKAWA

撮影:田中 和也、山口 雄太郎
撮影アシスタント:藤川 歩来
水中映像:足立 聡, 知来 要, 草川 城樹,坂本 麻人
アニメーション:坂本 麻人
イラストレーター:藤岡美和
パンフレット編集長:若林 輝 副編集長:奥田裕也
アートディレクター&デザイン : 飯田将平

配給:一般社団法人 Whole Universe
制作プロダクション:THE LIGHT SOURCE